ファニークトップページ 最新情報 オルガノレザー ファニーク その他定番商品 クリアラン Q&A

福島化学工業の Q&A
  
 
福島化学ってどんな会社?
「化学」という名は、皮革の可能性を広げたかったからです。
親の代から福島産業として皮革製造を行っていましたが、昭和35年に「化学」によって豚革の可能性を広げ、新たな用途を開拓しようと、福島化学工業としました。皮革を製造する過程はすべて化学反応によって行われます。
人体に安全で役に立つ皮革の利用法を研究していました。
私は日本大学理工学部応用科学化時代から皮革について研究していました。卒業後、昭和30年代には、やけどの治療に用いられる「人工皮膚」を製造し真空急速冷凍乾燥法により保存する方法の開発にも関わっていました。その後、実用化のための臨床試験などができる大企業に研究を譲渡しました。また豚革の副産物であるコラーゲンから食品加工材料を開発しましたが、その後皮革製造に一本化しました。

タンニンなめしは、クロムナメシと違って製造には時間がかかりますが安全な素材です。
タンニンなめしは昔から行われてきた伝統的ななめし方法です。
生の皮はそのままでは腐ってしまいます。植物等から抽出されたタンニン(ワインや渋柿などにも含まれる)によって、豚の生の皮を、組成が安定した「革」に化学変化させます。
クロムなめしは、短時間で鞣すことができ、ソフトな仕上がりになるのが特徴です。出来上がった革はやや青い色になります。現在のほとんどの皮革はクロムによって作られています。
弊社ではタンニンなめしで革を製造しています。タンニンによるなめしは組織に鞣製剤が染み込むのに時間がかかります。出来上がった革は固く、日光によって変色するという弱点がありますが、重圧感のある革本来の表面感を活かすことができます。なによりも、食品に使われる材料なので安心して使うことができます。
ページトップへ
人にも環境にも優しいことを目指し
オルガノは人にも環境にも優しいことを目指しているためにクロムを使いません。
私は特定化学物質取扱主任の資格を持っていますが、クロムというのは肌につくと潰瘍を作る物質であることを知っていたので、将来クロムは使えなくなるだろうと予想していました。その後クロムの排水規制が実施されたのを契機に、「人の身体にも環境にもやさしい」タンニン中心の製造に切り替えていきました。
オルガノは特別の製法で、タンニンなめしで白い革を作ります。
オルガノ・ホワイトの製造では非常に苦心しました。通常白い革を作るためにはホルマリンやアルミニウム、クロム等のなめし剤を利用しています。しかしどれも身体への影響を考えると使いたくなかったので、タンニンで白を出すために、何百回という試作を繰り返しました。
白くするために鞣製過程に使われるタンニン、油脂の材料の種類や調合を変えたり、製造過程でのPH(酸性度)管理や、薬剤の投入タイミングをこれまで以上に微細にコントロールする等の方法を試していきました。
オルガノは、白く柔らかい人に優しい素材です。
クロム素材を使えば簡単にできることも、タンニンでは難しいことがいろいろあります。タンニンでは「白く」しようとすると「固く」なり革本来の風合いが損なわれます。逆に「柔らかく」しようとすると「黄ばんで」しまいます。この矛盾する要素をクリアしました。さらにタンニンは分子構造が大きいので重くなり、独特の臭いもありますが、それらも解消したのがオルガノ・ホワイトなのです。
  左側が現在のオルガノホワイト・写真右奥は初期のオルガノ。常に進歩する素材です。
ページトップへ
インクジェットプリントに最適な素材
白ベースで滲みにくく、染料のインクジェットに最適な素材です。
顔料プリントはにじみいくく、発色も良いのですが、微粒子で色をつけるので表面が塗料っぽくなり革本来の風合いが損なわれてしまいます。
染料は液体を革に染み込ませるので、革の風合いを生かすことができます。しかし染料は滲(にじ)んでしまうため細かい線が潰れてしまいます。黄色いままの革なら滲みが少ないのですが、白では滲みやすいため、滲まない白を作るために苦労しました。
白ベースで滲みにくいので、インクジェットプリントがきれいに表現できます。
色落ち、色移りは、色止め加工で防ぎます。
色移りや色落ちを防ぐため、「色止め加工」を施しています。やはりここでも色止め用の樹脂を使うとやはり風合いが悪くなるので、オリジナルの色止め剤を開発しました。下止め剤に6種類、上止め剤に7種類の薬品を用いて、2日程かけて定着させています。
  オルガノは繊維総合見本市 ジャパンクリエーション2004 テキスタイルコンテストで入賞しました。
ページトップへ